| その夜、私室のインターホンが鳴ってヒィッツはおやと顔を上げた。 正直なところ、私室のインターホンが鳴る事はあまり無い。 普段の生活で十傑集同士が居住棟内の部屋を行き来する事はあまりないし、 ヒィッツの部屋の場合不本意ながら…一番訪れる回数が多いレッドはそもそもチャイムなど鳴らさない。 声紋認証の登録をフルに活かし、勝手に上がり込んでくる方が多いからだ。 なのでついモニター確認もせず、「誰だ?」とドアを開けてしまったヒィッツに確かに油断があった。 「いたずらかおごりか、どっちか選べ!」 果たしてそこに立っていたのはいつも通りのマスク・ザ・レッド。 違うのはインターホンを鳴らした事と、時期外れもいいところの台詞を口にした事。 「帰れ馬鹿。」 ヒィッツは一言切って捨て、ドアを閉めようとした。だが、 「軽い冗談だろ?」 そう言ったレッドの身体は既に半分部屋に滑り込んでおり、 結局手順が違っただけで、後は普段通りにレッドはヒィッツの部屋に上がりこんだ。 ※ ※ ※ ※ ※ 「…そもそも何で今頃『トリックオアトリート』なんだ。」 ヒィッツは呆れた様にため息をつき、それでも形ばかり酒を準備してレッドに差し出した。 「久々に街に行ったら、ハロウィンが終わっちまったせいで菓子類がやたら安売りしてた。」 そう言ってレッドは脇に持っていた紙袋の中身をテーブルに開けた。 果たしてそこにはオレンジやら黒やらのいわゆるハロウィンカラーの包みが溢れ出し、 ヒィッツの頬がヒクリと痙攣する。 ―――――ハロウィンのお菓子で酷い目に合ったのはまだ記憶に新しい。 オーバーラップしそうになる自身のその時の姿を慌てて払い除け、 「この間も散々食べたばかりだろう。」 と、努めて冷静に答える。 レッドはそんなヒィッツを尻目に菓子をガサガサと探ると、 「貰った物は貰った物だろ。色々あって結構美味そうだぜ?」 言いながらクッキーやらチップスやらとある程度酒のつまみになりそうな物を探っては開ける。 まあこの時間にやって来たという事は、今後の予定も決定されているようなものだ。 ヒィッツはこの間の様な妙なプレイを強いられるよりはマシか、と内心ホッとしながら酒を飲んだ。 この詰めの甘さが、ヒィッツの欠点の一つだ。 ※ ※ ※ ※ ※ 案の定と言うか予想通りと言うか、レッドはその後ヒィッツを求め、 サイドランプの薄明かりの中、2人はベッドの上で軽くキスを交わしたのだが。 「なあ、先日のアレ、美味かっただろ?」 「先日の?」 「ハロウィンのキャンディー。」 そう言ったレッドはニヤリと口角を上げた。 声とその表情にヒィッツは咄嗟に離れようとしたが、そう思った時にはレッド相手では遅すぎる。 気がつけばシャツのボタンは外され、 途中まで脱がされて腕の自由が利かなくなった所でそのまま押し倒された。 「な、何を企んでる!この馬鹿!」 「売れ残りにお前の『好物』があったからさぁ、買ってきてやったんだよ。」 そう言ってレッドが取り出したのはまた持ち手のついているキャンディー。 だが前回と違いカボチャを模したようなオモチャの雰囲気は無く、 オレンジの長い棒キャンディーに小さな軸がついて、そこに持ち手があるような、 一見は普通のキャンディーだ。 だが………この場所で取り出されたキャンディーが普通に”食べる為”でないという事は、 いくら鈍感なヒィッツでもさすがに解る。 「まさかまたそれを…!」 「だってお前大好きだろ?キャンディー。」 そう言いながらレッドの手は既にヒィッツのスラックスと下着を脱がせてしまっており、 見せ付けるようにそのキャンディーの先端をチロ、と舐めた。 「やめろこの変態!」 ヒィッツは何とか逃れようとしたが、自身の体重も使って後ろ手に押さえつけられていてはそれもままならない。 辛うじて動くのは足だが、皮肉にもその足を使えばそれこそレッドの思うつぼだ。 だが、そんな抵抗も空しく、レッドはその僅かな隙を突いて膝を押さえつけると、 「大人しくしろよ。すぐに慣れるって。」 「こんな事に慣れてたまるか!」 「本当、口先だけは達者なんだよなぁ。」 レッドは呆れたように、だがその抵抗も想定内とでも言いたげに口の端を歪めると、 「下の口くらい正直になれっての。」 そう言って、手にしていた棒キャンディーを慣らしもせずにヒィッツのそこにあてがった。 ヒィッツの顔が一瞬で青くなる。 「まさか本気で…!レ、レッド!!」 「こんな事冗談ですると思うか?」 レッドは軽く上唇を舐めると、そのままキャンディーをゆっくり押し込んでいく。 「ぐッ―――――!」 本来ありえない箇所の異物感に、ヒィッツは咄嗟に唇を噛んだ。 「今更抵抗するなっての。」 そう囁き、レッドはヒィッツの耳の先に軽く歯を立てる。 ほんの僅かだが、ヒィッツの身体がピクリと跳ね、その隙をレッドが見逃す筈もなく。 棒キャンディーは一気に持ち手辺りまでヒィッツの身体に飲み込まれてしまった。 「うわあああああッ!!」 「何だよ、そんな一気に咥え込むなって。」 レッドがいやらしく笑うと、ヒィッツはギッ、と睨みつけ、 「誰が…!いいから早く抜け……ッ!この馬鹿!」 「ふん?耳だけで反応したくせにまだ言うか?」 レッドは押し込んだキャンディーの持ち手を掴み、グリ、と捻る様に動かした。 「―――――っくッ…!」 慣らされる前に押し込まれた状態は快楽よりも痛覚の方が強い。 痛みならばさすがに腐っても十傑集、ある程度まではヒィッツだとて耐える事は出来る。 だが、それは一般的な外傷を伴う苦痛の話だ。今は勝手が違う。 レッドはそんなヒィッツの様子を見、持ち手に付いていた小さなスイッチを入れた。 薄暗がりの部屋の中、レッドの右手とヒィッツの下腹部の間でぼんやりと光が漏れる。 ”それ”が自身に挿し込まれたキャンディーが光っているのだと気づいた時、 ヒィッツの顔は今度こそ羞恥で真っ赤になった。 「惜しいな。色なんか付いてなければ中まで解りそうなのに。」 「き、気違いがッ!!」 ヒィッツはレッドの手から逃れようと膝を滅茶苦茶に動かしたが、 そうして動けば動くほど、逆に自身の中のキャンディーはヒィッツを圧迫する。 だが…下腹部の熱は、キャンディーの仕掛けのせいだけではないようだ。 物理的な熱さは確かに光るキャンディーから感じられたが、 それ以外の…湧き上がるような…熱が、自身の身体を侵食し始めている事にヒィッツはまだ気づいていない。 「この間の動くヤツよりマシだろ?もっとも…。」 レッドは軽く唇を舐め、溶けたキャンディーで少しベトベトとしてきた持ち手を掴むと、 「どうせもっとキツいヤツを欲しがるようになるけどな。」 そう言って、まるで中に塗り込むようにキャンディーを上下左右満遍なく動かす。 その都度ヒィッツの口からは嗚咽のような声が漏れたが、 叫びそうになる声を抑えているせいだというのは百も承知だ。 オレンジ色のキャンディーから漏れる光は淡く儚かったが、 普段陽に晒されないその肌を照らすには十分で、背徳めいた艶さえ感じる。 脚の間に割り込ませた身体をそのままに、 レッドはヒィッツの右足を膝から抱え上げるようにして自身の肩に乗せた。 晒された姿は影と薄明かりのコントラストで普段以上に淫猥で、 レッドは含み笑いを堪えて、代わりとばかりにヒィッツの胸の突起に唇を寄せる。 僅かに屹立していたそこを舌で突付くと、一瞬の後に硬く更に尖る蕾。 同時に動かしていたキャンディーの棒が突然と押さえ込まれ、レッドの手が止まる。 「何?そんなにここがイイのかよ?」 「そんなんじゃ…!あ……ッ…!」 「だって締め付けすぎててこっち動かせねぇじゃん。」 レッドはキャンディーの持ち手の先を指で弾いた。 ほんの少しだけしなった棒は弾いた以上の反動でヒィッツのそこを責める。 電気に打たれたようにヒィッツの肢体が痙攣し、背中が弓なりになった。 「キャンディー咥え込んで喜ぶなよ、ド変態。」 「誰が…ッ…!そもそもお前がこんな―――――!」 必死になってヒィッツはレッドを睨みつけたが、薄く潤み始めた目では説得力も無い。 レッドはもう一度キャンディーを掴むと、 「そんなにこれがイイならもっと食わせてやろうか?」 言いながら、先刻より強めにキャンディーを動かす。 「あああッ!!」 息が漏れ、苦しげな喘ぎとも叫びとも取れる声が部屋に響いた。 だがヒィッツの意思とは裏腹に、キャンディーを挿し込まれているそこはまた力が入ってしまったらしい。 キャンディーとその持ち手の接合部が軋んだ音がしたかと思うと、 パキッ! 「え……っ…?!」 「あーあ、折れちまった。」 レッドは大袈裟にそう言うと、自身の右手に残った持ち手をヒィッツの脇に放り投げた。 一瞬何が起きたのだか解らない様子だったヒィッツは、 持ち手の残骸と自身の下腹部に残る異物感で、やっと事の顛末を飲み込めたらしい。 「まさか…!」 「お前が悪ィんだぜ?そんなにがっついて締め付けるからだ。」 レッドはわざとらしく呆れたような声で囁くと、指先をヒィッツのそこに滑らせる。 僅かに軸の部分が残っているキャンディーはまだヒィッツの中だ。 「まあ、さすがにこのままって訳にもいかねェしな。」 言いながらレッドはその指をヒィッツの中に捩じ込んだ。 「ぐ―――――ゥッ!!」 喉の奥で呼吸が止まるかの様なその痛みと圧迫感に、ヒィッツの喉が仰け反る。 「妙な声を出すなよ。抜いてやるから大人しくしてろよ?」 「そ…あぐッ!」 キャンディーだけでもどうしようもない異物感に見舞われていたと言うのに、 そこにレッドの指が一本、二本と挿し込まれ、ヒィッツの口からは今度こそ嗚咽が漏れる。 本来あり得ない刺激に耐えかねて身体が拒否を起こせば、 「そんなに締め付けてたら取れねぇだろ?それともこういうのが趣味なのか?」 「馬鹿…あッ……ゆ、指を曲げ…な―――!」 「掴まなきゃ取れねぇっつーの。」 だがレッドの顔は笑っている。キャンディーを取るふりをして指を動かし続けているのはわざとだ。 次第に伝い垂れてきたヒィッツ自身の先走りと溶けた飴が混ざって、 妙に重い粘着質な水音がその部分から聞こえ始める。 レッドの指はその液を更に執拗に塗り込むが如く動き、 結果としてヒィッツの中は棒で掻き回されている様な状態になった。 「はッ…あ…ぁ……!」 呼吸すらままならない程に、ヒィッツはその指と”棒”に翻弄されて、 レッドの身体を押しのけようとやっと戒めから抜け出せた手は、 本来の目的ではなくその快楽に耐える為にシーツを掴む事を余儀なくされた。 「シーツじゃなくって、俺に縋ってもいいんだぜ?」 ニヤ、と笑ったレッドはヒィッツの身体を更に折り曲げるようにその脚を更に持ち上げると、 薄く汗の滲んだ震えるその喉元に舌を伸ばし、 「こんなに咥え込む位だもんな。もっと欲しいんだろ?」 そう言って舐め上げ、抜き差しする指の動きを更に強めた。 「そんな筈…あ…ッ!止め…っ……ああぁっ!」 「本当、素直じゃねぇの。」 レッドは突然その指を引き抜き、濡れそぼったその先を見せつけるように舐めると、 「正直になるまでコッチはお預けだな。」 「なッ…!レ、レッド!」 「心配しなくても上は可愛がってやるよ。」 わざと耳元で囁くと、その舌をヒィッツの耳に差し入れる。 同時に声を上げそうになって開いたその口に、今まさに舐め上げた右手の指を突っ込んだ。 「グ…!」 歯を立てることの出来ない絶妙な位置まで突っ込まれたレッドの指は、 今度はヒィッツの口腔を犯し始めた。 同時に耳の奥一杯に淫猥な水音が響き、ヒィッツの思考が断片的になってくる。 まだ体内に残ったままのキャンディーは先刻より圧迫が無くなった気もしたが、 果たしてそれがキャンディー自体の大きさが溶け出して小さくなった為なのか、 不本意ながら自身の身体が慣れてしまったせいなのかは、今のヒィッツには解る筈もない。 意識の朦朧としてきたヒィッツの様子に気づいたのか、レッドは耳から舌を抜くと、 胸で硬く屹立していた乳首にその舌を寄せる。 ビクリとヒィッツの身体が硬直したが、レッドはそのまま一度軽く吸い上げると、 次の瞬間、その敏感な根元に歯を立てた。 「ヴ―――――ッ!」 ヒィッツの喉が仰け反り、手にしていたシーツが更にきつく握り込まれる。 叫ぼうとした口はあいにくレッドの指で自由にならず、 口の端から溢れた唾液が伝った。 「ハハッ、そういえばお前、胸弱かったっけか?」 そうして責め立てた部分に、今度はあり得ない程柔らかく唇で触れ、 薄く血の滲みかけたそこにゆっくりと舌を当てる。 ヒィッツの口を解放したレッドの手はそのまま空いていたヒィッツの左胸に触れ、 爪の先で右胸同様に執拗に責め立てた。 「あッ…!や、レ…レッドっ……!は……ンンぅッ!」 辛うじて呼べた名前だが、拒絶も非難も―――哀願すら―――今は言葉にならない。 一方的に与え続けられている快楽に左足がガクガクと痙攣し、 体内に残されていたキャンディーの圧迫はもう完全に無く……… むしろもっと違う何か、と、普段ならあり得ない思考がヒィッツの頭に渦巻いていた。 上目遣いにヒィッツの様子を見ていたレッドはもう一度胸を吸い上げてから口を離すと、 「もうそろそろキャンディーなんかじゃ物足りねェだろ?」 愉快そうに歪めた口元からは、蜘蛛の糸のように細く白い糸がヒィッツの胸元まで伝っている。 右手を再度下腹部へと滑らせたレッドは、今度こそあっけなくヒィッツの中からキャンディーを抜き取ると、 「欲しいって言ってみな、ヒィッツ。」 「だ、誰がそんな……ッ…!」 「言わなきゃイかせねぇよ?」 レッドはどこに隠し持っていたのか細い糸のようなものを取り出すと、 素早く首をもたげていたヒィッツ自身の根元に巻き付けた。 「!!」 「どうする?」 そう言ったレッドは促す言葉とは裏腹にヒィッツの口を自身の唇で塞ぎ、 薄く開いていたその口に舌を差し入れると、その歯の並びを舌先でなぞる。 僅かに最後の抵抗を試みようとしたヒィッツの舌が伸びてくると、 素早くそれを絡め取り、敏感な舌先を甘噛みした。 「ンンンっ!」 押さえ込まれた声にヒィッツが思わず目を閉じれば、 今度はそれすらも許さないとばかりに口を離れた舌が瞼をこじ開けようと伸びてくる。 普段人に触れられる事などほとんど無い瞼の薄い肌を通して目に圧迫を感じ、 同時に、下腹部でイき損ねているヒィッツ自身の限界は近くなる。 煽るようにレッドの指先はその先端に触れていたが、 それを先走りでぬめらせると、ヒィッツの答えを急かす様に晒されている”口”の周囲をなぞった。 「あ―――――ン…っ……!」 一瞬漏れた声は確かに悦楽のそれで、 ヒィッツの呼吸が一段と荒くなり、無意識にその口から赤い舌が覗くと、 力を込めすぎて白くなっていた両手がレッドの後頭部に伸びた。 「ん?どうかしたのかヒィッツ?」 わざとらしくレッドが指を動かしたまま問いかけると、 ヒィッツは微かに底光りするその白磁の目でレッドの顔を見つめ、 「レ、ッド…焦らさ……っ…!たの…む……からッ―――!」 「フン―――――まあ及第点ってとこか。」 口では余裕がありそうなレッドだが、実の所ヒィッツの痴態に自身もだいぶ煽られている。 もうしばらく煽っても良かったが、自身が抑えられない方がキツい。 レッドは持ち上げていたヒィッツの脚を手で支えたまま顔をヒィッツの下腹部に沈めると、 先刻巻きつけた糸の先を歯で咥えた。 「は……ッ…!」 糸の刺激にヒィッツの口から溜息が漏れる。 ツ、とそのまま引いて解いてやると、目の前で焦らされたヒィッツ自身が震えた。 「おっと、まだイくなよ?欲しがってたモノくれてやるからな。」 レッドはヒィッツの腹部に軽く口付けて、押し広げたその部分に自身をあてがう。 特に何をしていた訳でもないのに、レッドのソレもイく寸前の熱を溜め込んでいた。 ズチュ…と篭った淫靡な粘膜の音が響き、 キャンディーと指で慣らされていたヒィッツの”口”は、存外すんなりとレッド自身を飲み込んだ。 「あああッ―――――!!」 「くッ……!」 それでもその圧迫はキャンディーや指とは勝手が違う。 また、レッドの方も自分が思っていたより怒張していたそれを締め付けられ、さすがに息が上がった。 中程まで挿入した所であり得ない場所への異物への拒否か、ヒィッツの中がまた一層狭くなった気がしたが、 レッドは軽く唇を舐めると、構わずヒィッツの腰を掴んで一気に挿し入れた。 「あぅッ!や、あ、レッ…!あぁ………っ!」 ヒィッツの背が反り返り、咄嗟にその両手が宙を彷徨う。 グイとヒィッツの身体を折り曲げるような格好で体勢を整えたレッドは、 勢いをそのままに荒々しく腰を打ち付ける。 次第にグチャグチャと掻き混ぜられる音が大きくなり、 薄暗い部屋にいつの間にか汗と雄の匂いが篭り始めていた。 「あッ、ああっ!は…ッ!レ…ド、ああ、ッ!!」 ヒィッツの声がうわ言の様に繰り返され、その手はもう既にレッドの背と髪を掴んで離れそうに無い。 レッドの方も、だいぶ動かしやすくなったものの未だ締め付ける力が弱まらないヒィッツの中の熱さに、 奥を目指すように夢中で挿入を繰り返す。 自分とヒィッツの間で擦り付けられているヒィッツ自身も妙に熱く、 レッドは全身の血が沸騰しているかのような錯覚を覚えた。 「は、あッ、あっ、ああッ!レッ、もッ、や…ッ!し、死ぬッ!」 レッドの下で揺すられ、貫き続けられ、ヒィッツの呼吸は本当に荒く不規則になっている。 目の焦点は既に合っていない。レッドを掻き抱く手の力は普段からは想像出来ない程必死で、 舌が見え隠れするその口の端に僅かに泡立った唾液が溢れた。 「ンンっ!はッ…!な、ら……死んじまえよッ…!」 レッドの髪を伝って、汗がヒィッツの肌に落ちる。 自身の手で押し寄せてきた悦楽の波にレッドは呼気を荒げながらも満足そうな笑みを浮かべると、 ヒィッツの息の根を止めるが如くにその動きを早め、 「いっそ、このまま、死んじまえよッ!なぁ!」 「レッド!あ、ああッ!や、あ、あぁあぅ…ッ、はっ!あン!」 「い、いい様、だよッ!ヒィッツ!グチャグチャに、イきまくって!俺の下で、死ねよッ!」 言い様、零れるように飛び出したその赤い舌にレッドが自分の舌を絡めると、 何の抵抗も無くヒィッツの舌はレッドを受け入れ、むしろ自ら取り込むように蠢く。 互いの限界が近くなり、言葉にならない喘ぎと微かな媚を含んだ睦言は、 熱い呼吸の断片と共に互いの間だけで交わされ、薄闇に溶けては消えた。 「や、レッ、レッドぉ!ああッ!い、あ、くぅ―――――ッ!」 「クッ―――あああッ!!」 互いの意識が何かの信号の様に瞬き、一瞬にして思考が真っ白になる。 最後にヒィッツが感じたのは自身の中に広がった飛沫の熱さとレッドの背中の温度で、 レッドが感じたのは自身を締め上げたヒィッツの中の温度と掻き抱いたヒィッツの髪の感触だった――――― ※ ※ ※ ※ ※ 「…腕が痛い。」 「ん。」 「脚も痛い。」 「ん。」 「腰が痛い。」 「だろうな。」 「無茶苦茶だ、お前は…。」 「お互い様だろ?」 目が覚めて、呼吸も理性も元通りになったヒィッツは薄い毛布を引っ被ってしまった。 「…何が嫌なんだよお前。いつもさぁ?」 レッドは少し身体を起こすと、包まっている毛布ごとヒィッツの身体に覆い被さる。 一瞬だけモゾ、とヒィッツの身体が動いたが、すぐに大人しく…動かなくなってしまった。 「どんだけ騒いでたって、結局最後にはイイ思いしてんのは一緒だろ。」 だから嫌なんじゃないか―――そう言いたい言葉をヒィッツは必死になって飲み込む。 自分が今まで付き合ったり関係を持った相手というのはあくまで女性だけで、 男に抱かれるなど、レッドに無理強いされなければ絶対踏み込まなかった領域なのだ。 ましてその快楽や充足度が普段女性を相手にする時よりも上、だなんて、 自身の男としてのプライドが許せる筈も無く。 『いくら気持ちがイイと言ったって、許容できる範囲はあるだろうが―――!』 「………本当、可愛くないよな。」 レッドはボスン、とヒィッツの上に頭を投げ出し、天井を見上げた。 「…お前なぞに可愛いなどと思われてたまるか。」 レッドの頭の下から小さく呟きが聞こえる。そして、 「お前こそ処理だけなら街に出て買うなりなんなりすればいいだろう。 そういう趣味の奴はもっといくらでも居るだろうが。」 「―――俺は虐めがいのある奴が好きなんだよ。」 『なんてはた迷惑な性癖だ!』 ヒィッツはますます惨めな気分になり、毛布の下で落胆の溜息をついたが、 「だから、お前しか抱く気がしねぇんだよ。」 そう付け足された台詞の意味をヒィッツが理解するのに軽く十数秒。 「責任、取れよ?」 ―――――そう言ったレッドの声は妙に愉しげだったのだが、 毛布から顔を出せなくなったヒィッツにはその表情を確認する勇気は無かった。 * * * * * 何だ結局バカップルか。(身も蓋もない) 以前のハロウィンネタ後にkさんとチャットでお話したのが元ネタです。 本当はもっとドロドロなエロだったんですが、 書いてて自分が疲れました(うわ)。 でも丁度その頃に別サイトさんでレドヒツのエロを見て物凄く萌えたので、 (それには及ばないまでも)萌えて下さる方がいれば幸い。 それにしてもエチーは疲れますなぁ。 ウチのヒィッツは本当は物凄い丈夫なのかもしれん。 |