酷く眠り足りない気がしたが、身体は起きている。
マスク・ザ・レッドは二、三度まばたきし、欠伸を噛み殺す。
本当に眠い訳ではない。
誰に見られている訳ではないが、眠そうに見せたかっただけだ。
頭の中はまだ眠っているのかも知れない。
身体をゆっくりと起こしてみる。
周りに散らばっている肉片は変色し始めていて、
それだけで幾分かの時間が過ぎているのが解る。
あの男の身体もこんな色になったのだろうか。
自分とは違う、白い色なら記憶にある。
だが、あの伊達男がこんな色に染まったのだとしたらそれは酷く滑稽だろう。
こんな事ならその色が侵食していく様までじっくり見てやれば良かったかと思ったが、
生憎とあの時はそんな時間は無かった。
返す返すも惜しい事をした、とマスク・ザ・レッドは本心から思う。
今度こそ、本当の欠伸が出た。
退屈過ぎて涙が出る。
* * * * *
後悔先に立たず。
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